2014年01月20日

生化学の説明問題


タンパク質の三次構造の定義とその構造を安定化させる因子を答えなさい。

タンパク質のポリペプチド鎖はαへリックスやβプリーツシート構造と言った二次構造が不規則構造部分を介して、さらに折りたたみ、折れ曲がって形成された一定の規律を持つ三次元構造をタンパク質の三次構造と言う。

安定化させる因子は、側鎖間の相互作用である。それにはジスルフィド結合、水素結合、塩結合、疎水結合、ファンデルワールス力がある。



ケトン体の生成過程を説明しなさい。

脂肪酸のβ酸化で生じたアセチルCoAの2分子がアセトアセチルCoAチオラーゼにより縮合し、アセトアセチルCoAが生成される。さらに1分子のアセチルCoAがHMGCoAシンターゼにより縮合し、HMGCoA(βヒドロキシβメチルグリタリルCoA)が生成される。HMGCoAはHMGCoAリアーゼによりアセチルCoAとケトン体であるアセト酢酸に切断される。
アセト酢酸は非酵素的に脱炭素されるとアセトンになる。
アセト酢酸はβヒドロキシ酪酸脱水素酵素により、βヒドロキシ酪酸へと転換される。
(アセト酢酸、アセトン、βヒドロキシ酪酸をケトン体と言う。)



ペントースリン酸回路の生理的意義を説明しなさい。

脂肪酸合成に必要なNADPHを提供する。
(NADPHは水素供与体として、多くの代謝反応に関与する。G-SHの還元性を維持)
ヌクレオチド合成に必要なリボース5リン酸を産生する。



原核生物のタンパク質合成に関与する酵素とタンパク因子の名称を挙げよ。

アミノアシルtRNA合成酵素、トランスペプチダーゼ、トランスロカーゼ、エステラーゼ
開始因子、伸長因子、終結因子


半保存的複製を証明した実験に関して説明せよ。

メセルソンとスタールは窒素の同位体である14Nと15Nを利用することにより、DNAが半保存的に複製されることを証明した。
@大腸菌を15N培地で培養することにより、大腸菌のDNA内の窒素をすべて15Nへと置換する。
Aこの大腸菌を14N培地に移して、細胞分裂させる。
この時、大腸菌のDNAの重いDNAと軽いDNAと中間の重さのDNAの割合が変化する。
     重いDNA  中間の重さのDNA  軽いDNA
複製前   1    :   0     :  0
1代目   0    :   1     :  0
2代目   0    :   1     :  1
3代目   0    :   1     :  3
4代目   0    :   1     :  7
この実験によりDNAは半保存的な複製がされることを証明した。



受容体の特徴について説明せよ。

特異性:インスリンとインスリン受容体の関係
親和力:濃度が低くても結合しやすい。
飽和性:限度がある。
可逆性:シグナルレセプターは非共有結合で結合する。
cf.シグナル:神経伝達物質、ホルモン、成長因子



タンパク質の二次構造の概念とその主なコンフォメーションの様式を述べよ。

ポリペプチド主鎖の局部的な空間配置のことである。アミノ酸の側鎖の立体構造には触れない。主鎖はα炭素原子とペプチド結合からなっている。主な結合は水素結合である。

αへリックス:右巻きらせんで鎖内水素結合がある。
βプリーツ・シート:ひだ状になっていて、平行プリーツ・シートと逆平行プリーツ・シートに分けられる。鎖間水素結合がある。
βターン:ポリペプチド鎖がほとんど折り返す特異な構造。
ランダム・コイル:ポリペプチド鎖のうち規則性が明確に定められない部分



生体内における尿素合成の反応過程を述べよ。

ミトコンドリア内で
CO2+NH3+H2O+2ATP→カルバモイルリン酸+2ADP+Pi (カルバモイルリン酸合成酵素T(鍵酵素)、Mg2+)
オルニチン+カルバモイルリン酸→シトルリン+Pi (オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ)

細胞質ゾル内で
シトルリン+アスパラギン酸→アルギノコハク酸 (アルギノコハク酸合成酵素(鍵酵素)、Mg2+)
アルギノコハク酸→アルギニン+フマル酸 (アルギノコハク酸リアーゼ)
アルギニン+H2O→尿素+オルニチン (アルギナーゼ)



血漿リポタンパク質の分類、生成部位、主な機能を述べよ。

超遠心法による          生成部位     機能
キロミクロン(CM)        小腸粘膜細胞   外因性TGやコレステロールの運搬
超低密度リポタンパク(VLDL)  肝細胞      内因性TGの運搬
低密度リポタンパク(LDL)     血漿       内因性コレステロールの運搬
高密度リポタンパク(HDL)    肝、腸、血漿   コレステロールの逆転送(肝へ転送)
cf.コレステロールは血流により肝へ転送。肝で胆汁酸に転換され体外へ排出される。


10
組み合えDNA作成の基本的プロトコールについて簡単に述べよ。

@標的遺伝子の獲得(化学合成法、ゲノムDNAライブラリー、cDNAライブラリー、PCR法)
Aクローニングベクターの選択と作成
B外来性遺伝子とベクターの連接(DNAリガーゼを用い標的遺伝子とベクターで組み換える。)
C組み換えDNAの宿主細胞への導入(トランスフォーメーション、感染、トランスファクション)
D組み換え体のスクリーニング
Eクローニング遺伝子の発見(発見系の作成)


11
原核生物RNAポリメーラーゼの特徴を述べよ。

ααββ’という4つのサブユニットからなるコアエンザイムにδユニットが結合し、ホロエンザイムを構成している。
DNAに結合しtranscription bubbleを形成する。
転写開始にδユニットは解離するが、RNAポリメラーゼはそのまま伸長反応を行い、ρ因子の結合により、転写を終えて、鋳型から離れる。
δユニットの機能はプロモーターの認識である。
プロモーターとは、RNAポリメラーゼが結合して転写の始まるDNAの部位である。


12
ラクトースオペロンを例として、原核生物のオペロンの構造を説明せよ。

I(リプレッサーをコードする遺伝子)、CAP結合部、P(プロモーター)、O(オペレータ)、Z(βガラクトシダーゼをコードする遺伝子)、Y(ガラクトシドパーミアーゼをコードする遺伝子)、A(アセチルトランスフェラーゼをコードする遺伝子)の順に遺伝子は配列している。

乳酸オペロンにはコード遺伝子と調整遺伝子の二つの部分が存在する。コード遺伝子により酵素が合成され、調節遺伝子にはプロモーター、オペレータ、CAP結合部位が存在する。
乳酸オペロンでは、リプレッサーがオペレーターに結合することにより、転写を抑制している。しかし、リプレッサーに誘導物質(ラクトース)が結合するとリプレッサーは不活性化される。
ラクトースがあり、グルコースがないと、cAMP濃度が上昇する。これはCAP結合タンパクを活性化させる。そして、cAMPとCAP結合タンパクはCAP部位と結合する。



posted by iliaoning at 01:02| 説明問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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